夫婦がお互いにPOAを持つケース

夫婦であっても、お互いに「財務(一般)POA」と「医療MPOA」をそれぞれ1通ずつ、合計4通(2人×2種類)の書類を独立して作成し、持っておく必要があります。

「夫婦なんだから、わざわざ書類を作らなくても片方が倒れたら自動的にもう一方が代理になるでしょ?」と思われがちですが、アメリカではそうならない法的・医療的な壁があるからです。

なぜ夫婦それぞれに2種類(計4通)が必要なのか、その理由を分かりやすく解説します。

印刷、記入し、Notaryでサインするだけで簡単にできます。

医療の現場でも同様です。アメリカにはHIPAA(医療保険の相互運用性と責任に関する法律)という非常に厳しいプライバシー保護法があります。

  • 本人の意識がないとき、いくら配偶者が「妻(夫)の容態を教えてください」「カルテを見せてください」と医師に頼んでも、病院側は法的なペナルティを恐れて、情報を開示したり治療方針を相談したりすることを拒否するケースがあります。
  • Medical POA(医療委任状)に、お互いを「医療代理人(Health Care Agent)」として指定しておくことで、初めて医師は安心して配偶者に病状を話し、手術の同意書にサインを求めることができるようになります。

これも、「夫から妻へのMPOA」と「妻から夫へのMPOA」の2通(医療用)が必要な理由です。

通常、アメリカで夫婦がPOAを作る際は、鏡のように左右対称(お互いを指名し合う形)で作成します。

  • 夫の書類:
    • 財務POA ➡️ 第一代理人を「妻」にする
    • 医療MPOA ➡️ 第一代理人を「妻」にする
  • 妻の書類:
    • 財務POA ➡️ 第一代理人を「夫」にする
    • 医療MPOA ➡️ 第一代理人を「夫」にする

⚠️ ここで終わらせず「第二代理人」も必ず入れる!

夫婦で作成する際に絶対に忘れてはならないのが、「予備の代理人(Successor Agent)」の設定です。

万が一、夫婦で一緒に旅行中に大きな交通事故に遭い、2人とも同時に意識不明になってしまった場合、お互いを第一代理人にしているだけだと、誰も決断できなくなってしまいます。 そのため、信頼できる「成人した子供」「アメリカ在住の親戚」「親しい友人」などを必ず第二代理人(予備)として書類に明記しておきます。

まとめ:夫婦だからこそ、お守りとして4通揃える

「夫婦だから大丈夫」が通用しないのが、アメリカの合理的かつ冷徹な法システムです。

お互いに2種類ずつ、計4通のPOAをセットで作成し、Notary(公証)を済ませておくことは、「もしもの時に、大好きなパートナーを法的なトラブルや医療のタイムロスから守るための最高の思いやり」になります。ぜひ、ご夫婦で一緒に作成を進めてみてくださいね。

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