
この記事を書いた人
アメリカ田舎の大学でワーママ准教授をしている、 えもと申します(詳しい自己紹介はこちら)。アラフォー、旦那1、息子2、猫2と一緒に田舎暮らし中。アメリカで経験してきたことをシェアします。
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アメリカで検査や手術を受けると、後から送られてくる大量の書類。 その中で、「病院から取り寄せた明細書(Itemized Bill)の合計金額」が「保険会社に回っている請求総額(Total Amount Claimed)」よりもなぜか高い…!という奇妙な現象に気づいたことはありませんか?
結論から言うと、これはアメリカの医療システムにおける「裏の価格交渉」が原因で起こる、ごく一般的な現象です。今回は、なぜこの金額のズレが生まれるのか、そのカラクリと、私たちが損をしないためのチェックポイントを分かりやすく解説します!
この記事の結論
治療を受けた後は必ず、病院の請求書と保険会社のEOBを比べる。
金額がズレる最大の理由:「契約割引(Contracted Rate)」の有無
アメリカの病院には、いわゆる「定価」が存在します。しかし、この定価をそのまま支払う人はほとんどいません。
病院と保険会社は、裏で「お宅の保険の加入者には、この治療を〇〇ドルで提供します」という事前のディスカウント契約(契約料金:Contracted Rate / Allowed Amount)を結んでいます。
- 病院のItemized Bill(明細書): 病院が設定している「定価(割引前)」ベースで書かれていることが多い。
- 保険会社へのClaim(請求): 保険会社との契約に基づいて「割引された後の金額」または「その保険会社用のコード」で処理されている。
つまり、病院側がシステム上、最初に「定価ベースの明細」をあなたに発行してしまい、裏では保険会社と「割引価格」でデータをやり取りしている場合、この金額の差が生まれます。
医療コードの「まとめ(Bundling)」による差
もう一つの理由は、請求時の「コードのまとめ(バンドリング)」です。
病院の明細書(Itemized Bill)には、ガーゼ1枚、注射針1本、看護師のケア15分…といった細かい項目がすべてバラバラに(定価で)リストアップされます。
しかし、保険会社に請求を送るとき(Claimを出すとき)は、それらの細かい項目を個別に請求するのではなく、「〇〇手術セット(1つの医療コード)」としてパッケージ化して請求しなければならないルールがあります。
保険への請求: パッケージ価格(一括請求)になっているので、バラの合計より安く表示される。
明細書: バラバラに足し算されているので高くなる。
「請求漏れ」や「別請求(Separate Billing)」の可能性
アメリカの医療で厄介なのが、「医者からの請求」と「病院(施設)からの請求」が別々に発生するという点です。
例えば、レントゲンを撮った場合、
- レントゲン室を使った費用(病院からの請求)
- レントゲン写真を読んだ放射線医の費用(医師からの請求) が別々に発生します。
あなたが手元に持っている保険会社のClaim(請求)は「病院分」だけで、まだ「医師分」の請求が保険会社に届いていない(タイムラグがある)ため、全体の合計が低く見えているだけという可能性もあります。
筆者の場合
とある手術をした時のEOBとItemized billの違いを筆者の場合で紹介します。
まずはEOB↓
緑色のAmount Billedが、病院から保険会社へいった請求額。ここでは$16219.73。

そして病院からのItemized billの合計↓ 合計額が$17790.82。

この合計額の違いにより、私が払わないといけない額は保険会社のアカウントには$1994.95 VS 病院のアカウントには$3534.75と、約$1500の差が出ています。
手術の前にPrepayと言って、ある一定額を払わないと手術もしてもらえない感じでしたので、Prepayの$1000だけ払いました。あとは毎月$50ずつ(利子なし)のPaymentの設定に。
Paymentをしている間に、この$1500の差の謎を、保険会社のエージェントと話しつつ直していく予定です。
私たちがやるべき「3つの自衛策」
金額が違うのを発見したとき、そのまま放置してはいけません。以下のステップで確認を進めましょう。
① EOB(給付説明書)が出揃うまで一銭も払わない(もしくはなるべく少額設定でPaymentオプションに)
病院からの請求書(Invoice)や明細書だけで判断して支払ってはいけません。必ず保険会社から発行されるEOB(Explanation of Benefits)をオンラインで確認してください。EOBに書かれている「You Owe(あなたの支払責任額)」が、最終的にあなたが支払うべき正解の金額です。
② 明細の「医療コード(CPT Code)」を照らし合わせる
病院の明細書に載っている5桁の数字(CPTコード)と、保険会社のClaimに載っているコードが一致しているか確認します。明細書にあって、保険会社への請求にない項目があれば、それは「保険会社に請求し忘れている(=保険が適用されていない)」可能性があります。
③ 病院の Billing Department(請求部門)に電話する
「手元のItemized Billの総額と、保険会社に上がっているClaimの総額が一致していません。なぜ差額があるのですか?保険会社への再請求(Resubmit)は必要ですか?」とストレートに問い合わせましょう。これだけで、「あ、システムのエラーでした」と請求が下がることもよくあります。
筆者の場合は保険会社のエージェントと先にお話ししました。ですが病院に先に問い合わせする方が端的にすみますね。
まとめ:アメリカの医療費は「確認した人が勝つ」
病院の明細書の金額の方が高い場合、多くのケースは「割引前の定価が見えているだけ」ですが、稀に病院側の二重請求や、保険会社への手続きミスが隠れていることがあります。
アメリカの医療費は、言われた通りに払うと大損します。「数字がおかしい」と思ったら、必ず病院と保険会社の両方に確認を入れる癖をつけましょう!
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